[レポート] AWS Private 5Gについて今わかっていること #reInvent #cmregrowth
CM re:Growth 2021 Onlineで配信されたセッション「AWS Private 5Gについて今わかっていること」のレポートです。
こんばんは、芦沢です。
2021/12/7に開催されたCM re:Growth 2021 Onlineでのセッションレポートです。
レポート
スピーカー
- アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 エバンジェリスト 亀田治伸
導入
- AWS Private 5Gは現在Private Preview中
- 一般的にPrivate PreviewのサービスはAWS社員でも申請が通りづらい
- 先にパートナーやお客様から承認が降りる
- Private Previwのサービスは触った感想などの外部公開禁止(ブログにも書けない)
- 公開されている資料レベルのことならOK
- しかし、Private 5Gはドキュメントがまだ公開されていない(FAQのみ)
- 亀田さんも現在調査中
- 今日はわかっていることを話す
- 先に結論:AWSがキャリアのビジネスに参入するわけではない
5Gについて
- 仕様について
- レイテンシー:1ミリ秒(ms)
- 4Gの場合:数十ms〜最短10ms(努力目標)
- スピード:最大10Gbps
- 日本の5Gの場合、最大20Gbpsが努力目標
- 4Gの場合:最大1Gbps
- 接続デバイス数:100万デバイス(1平方キロメートルあたり)
- 4Gの場合:10万デバイス/1平方キロメートル
- レイテンシー:1ミリ秒(ms)
- Public5G
- 日本で使われている方はこっち
- 既存の4Gネットワークの拡張版
- Private 5G
- 米国では、大規模な大学(ビルが数十個単位)のキャンパス全体をWifiでネットワーク化するケースがよくある
- ネットワークを補強するために5Gを使うことが期待されている
- アメリカではすでにPrivate 5Gのマーケットが存在
- すでにビジネスを展開している事業者がいる(地方ケーブルテレビ、ISPなど)
- その事業にAWSが参入
Private 5Gについて
提供されるもの
- ハードウェア(ネットワーク機器、SIMチップ)と管理ソフトウェアのセット
- Private 5Gで使われるSIMチップはデュアルSIMチップ(Public、Private両方に対応)が使われている
- AWSで提供されるPrivate 5Gも同じかどうかは現在調査中
- ネットワーク
- 一般的なクラウドと同じように使える
- 統合管理
- デバイスおよびネットワーク全体の可視化
- SIM単位のきめ細やかなアクセスコントロール
CBRS(Citizens Broadband Radio Service)
- CBRSは、元々米海軍が免許を保有している軍用の周波数帯
- 民間利用に一部開放したもの
- 米軍は継続して使用中
- Public 5Gとは周波数が異なる(日本、米国共通)
- キャリアが提供するような公衆網とはまったく別物
- 共有ネットワークなので、優先順位が存在する
- 既存の米軍ユーザ
- 優先アクセス免許取得者(現在は6社ほど、Verizonなど)
- 免許不要の一般権限
RAN(Radio Access Network)とSAS(Spectrum Access System)
- RAN
- ローカルの5Gそのもの
- 文章によってはそれを管理するプラットフォームのことを指す
- 今回の場合で言うと、AWS Private 5G自体をRANと呼ぶケース
- SAS
- 米国の政府機関FCCにより認定を受けている周波数割り当てシステム
- 優先順位が下のユーザには、優先順位が上のユーザが使っていない周波数が動的に割り当てられる
AWS Private 5G
- AWSにより提供されるもの
- ソフトウェア
- CBRS
- CBRS用のSAS
- 5G CoreとRAN
- ハードウェア
- ネットワーク機器
- SIM
- AWS Outposts Server(場合によっては不要)
- ソフトウェア
- お客様側で準備するもの
- リージョンへの接続(DXなど)
- ゲートウェイやルータ
- DHCPサーバ
- AWSリージョン上に5G Coreを展開し、AWS側ですべて管理する場合
- Outpostsは不要
- クラウドまでの通信が発生、処理時に通信のオーバーヘッドが発生する可能性あり(Wavelength等と同じイメージ)
- 5G Coreをローカルに展開する場合
- AWSはOutpostsに5G Coreを展開することを推奨
- 本当にOutpostsでないとダメなのか、は調査が必要
結論
- 当面、日本とは関係ない
- CBRSは米国の法律に基づいてるもの、日本でそれに相当するものは存在しない
- 日本政府の動向次第では、今後Private 5Gが使えるようになる可能性はあるが、現時点ではアナウンスがない
感想
そもそも5Gって何?からPrivate 5G、Public 5Gの違いやCBRS、RAN、SASなどPrivate 5G関連の技術用語の説明までフォローしたセッションで、とても勉強になりました。
re:invent2021での発表時はよくわからんけどなんだかすごそうなアップデートが来たぞ!くらいの理解でしたが、本セッションのおかげでかなり理解が深まった気がします!
しばらくは日本とは関係ないサービスのようですが、Private 5Gはアメリカでは既にビジネス化しているそうなので今後のAWSの動きが気になります。